ゲリラ豪雨で、お庭が水浸しに!
ゲリラ豪雨などと言われる局地的な大雨がニュース等で伝えられていますが、普通の雨でも我が家の庭はプールの様に水が溜まってしまいます。
造成地で廻りをブロックで囲まれていて、雨水の流れていく場所がないんです。おまけに、地下車庫の上のスラブコンクリートが周りの土よりも低いものですから、名実共にプール状態です。
不動産屋さんに相談したら、庭全体の土を入れ替えないと駄目!と言われたそうです。そんな無茶苦茶な!!!。
雨の度に水が溜まってしまうお庭に芝生を育てようと頑張っていらっしゃる奥様の努力には頭が下がりますが、ちょっと無理かも! ごめんなさい。芝生は水はけと日当たりの良い場所でないと元気には育ちませんよ。
だから困っているんじゃないのよ! と言われそうですね。
水はけの悪い土で困っています。お庭の土を全部入れ替えて欲しい。とは、お客様からよく聞くご相談です。しかし、20cm~30cmぐらいの深さで、お庭全体の土を入れ替えたところで、あまり効果は期待出来ません。しかも、土の入れ替えにかかる費用は意外と高額になりがちです。ましてや、トラックや重機がお庭に直接出入り出来ないと全てが手作業となり、更に高額になってしまいます。
水は、表面的な対策では言うことを聞いてはくれません。基本的な対策を施す他に有効な策はありません。
まず、始めに検討するのは、降った雨水の行き場所を作り、そこへ導く水路を作ることです。U字溝を設けるのも一つの方法ですが、あまり色気はありません。庭にU字溝なんて似合いませんよね。ゴミも溜まるし、蚊も湧くし、・・・。
逃げ場がなければ、溜まってもいい場所を作ってあげましょう。浸透井戸と言います。現代風に大げさに言えば、遊水池ですが、個人のお宅に泥水の池を作る訳にはいきませんよね。
昔、公共下水が完備されていなかった頃、各々の家には大きな浸透井戸が掘られていました。その浸透井戸に生活雑排水を流していたものです。殆どの場合は、蓋を被せて危険の無いようになっていました。穴を掘る専門業者もいたほどです。
個人のお宅のお庭の場合は、広さに見合った大きさの(小型の)遊水池を作るのも非常に有効です。大げさに感じるかも知れませんが、全ての土の入れ替えをするよりも簡単で、効果的です。お庭に穴を掘って、浸透性のあるマスを埋めます。マスの上は、蓋をして危険の無いようにしましょう。
今回は、宅内の裏側にU字溝が設けられています。このU字溝の先は一段低くなっている道路のU字溝につながっていて、どんなに雨が降っても溢れる心配はなさそうです。雨水の行き場所はあると言うことですね。あとは、中庭に溜まってしまう水をどうやって、U字溝まで導くかを検討すれば解決です。でも、水が流れるように勾配を作ることは出来そうにありません。逆勾配になってしまう可能性もあります。さあ、どうしましょう? そこで登場するのは、排水・給水用の穴の空いたプラスチックの管(有孔管)という資材があります。砂利や土でパイプを隠してしまうことも出来ます。今回は、この方法を使う事にしましょう。
庭中が水浸しに!
今回の対策は
ウッドデッキの下になる部分は地下車庫のスラブコンクリートになっていますが、周りよりも低いために水が溜まってしまいます。軽量コンクリートで中央部を高くして、土の方へ流れるようにしました。
花壇は一段高くしてやると、それだけでも花壇の中の水はけは良くなります。レンガを縦積みにして、一段高い花壇を作ります。花壇の中には腐葉土や牛糞などを混ぜて、土の改良をしておきます。
肝心の雨水対策です。今回は、敷地内の反対側にU字溝がありましたので、最終的にはこのU字溝に余水を流す計画です。歩いたり、遊んだりする場所にはマサドを使用しました。マサドは透水性のある自然土舗装材ですから、浸透可能な雨水は浸透させます。浸透し切れなかった雨水は網状のパイプを通ってU字溝につながっています。網状のパイプですので、周りからパイプの中に水が浸透します。パイプの中の水も周りの土に吸い込まれます。パイプの中の状態と周りの土の状態で、どちらのも作用します。周りの土に染み込まれなかった水はU字溝にとつながります。
花壇がR状に曲がっているデザインに合わせて網状のパイプも曲げたいので、今回はタイキロンのトリカルパイプを使用しました。吸・排水性が抜群の高密度ポリエチレン製角目網状パイプです。
トリカルパイプが丸見えになっていては味気ないので、化粧砂利を被せて塵などの浸入も防ぐようにしました。
完成です。我が家のガーデンライフの歴史的一ページの記念日です。
花壇とマサド舗装とウッドデッキ、そして排水路をデザインすると、水浸しだったお庭が、こんなお庭にリフォーム出来ます。
花壇の一部は砂場にしました。お風呂用の蓋を被せておくと清潔に使えますよ。
ウリン材のウッドデッキもかなり広く出来ました。ウリンのウッドデッキとマサドのベージュ色・オレンジがかったレンガ・黒のピンコロがお庭の雰囲気を明るくまとめています。
暗渠用資材のご紹介です。
土の中で、余水を処理するための資材が暗渠用資材として、色々用意されています。
水はけの悪い土地での耕作や治水は、農耕民族の我々には大昔からの大問題でした。様々な工夫が昔から伝えられています。籾殻や藁を利用していた時代もありました。竹の筒を使うようになり、素焼きの土管が使われるようになり、現在は、プラスチックやコンクリート製品が多くなってきました。しかし、目詰まりなどのメンテナンスが必要で、素焼きの土管がまた見直されています。
野球場やサッカー場・テニスコートなどのスポーツ施設を始め、屋上庭園の排水・道路などの路盤排水・農業地の排水・・・etc。雨水の処理は歴史を問わず大きな問題でした。その土地・その土地の土木的な要因を配慮した上で、基本的な考察を具体化することが大切です。
むやみに、土の入れ替えなどの無駄な抵抗は止めましょう。力ずくでは解決しません。
まずは、弊社(有)オッフルにご相談ください。